食中毒患者への介助作業も看護師の仕事の一つです。下痢や嘔吐など食中毒ならではの症状に苦しむ患者を優しくケアするのが基本ですが、その際は看護師自身が感染しないように注意する必要があります。
一口に食中毒と言ってもその原因は様々ですが、中でも細菌性の食中毒は他人にうつるので接する際は注意しなければいけません。特に看護師の場合、細菌が混在している吐しゃ物の処理も行うことから感染リスクが高いと言えます。決して素手では触らず、手袋やマスク、エプロンなどの保護具の使用を忘れてはいけません。また、消毒の際はアルコールではなく塩素系の薬剤を使いますが、これは細菌の一部はアルコールでも除去できないのが理由です。
食中毒患者に接する場合、食中毒以外の原因も考慮しなければいけません。食中毒の症状は嘔吐や下痢、腹痛がほとんどです。これらは体内にある有害な細菌や毒素を排出するための身体機能の表れですが、その一方で多くの病気で普通に起こる症状でもあります。そのため、食中毒に見えても実際はまったく別の病気という可能性は否定できません。
食中毒の多くは有害な飲食物を摂取することで起こります。このことから、患者をケアする際は、当日から一週間ほど前までの食事メニューを確認するのが看護師の務めと言えるでしょう。少しでも早く状態の改善を図るには原因を正しく特定し、適切に対処することが重要です。
こまめな水分補給は食中毒患者への基本的なケアですが、病気によっては水分を与えてはいけないものもあります。したがって、症状の原因を特定するのは必須と言っても過言ではありません。